2026.07.28
「日々」の納得デザイン②
こんにちは。皆さんはニュースや新聞で「年収の壁の引き上げ」や「社会保険の適用拡大」という言葉を耳にしていませんか?「結局、私はいくらまで働けるの?」「損をしない働き方は?」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
令和7年度・8年度の税制改正や社会保険の制度改革により、これまで私たちが慣れ親しんできた「103万円の壁」などの常識は完全に塗り替わりました。今回は、最新の「年収の壁」をスッキリ整理し、これからの世帯の働き方の判断軸について詳しく解説します。
1.【2026年上期版】「社会保険の壁」と「税金の壁」一覧表
現在の「年収の壁」は、大きく分けると①社会保険の壁②本人の税金に関する壁 ③配偶者控除に関する壁、の3つに分類されます。それぞれの最新基準をまとめました。
年収の壁 早見表(2026年上期版)
税・社会保険
| 本人年収目安 | 社会保険 | 所得税 | 住民税 | ポイント |
| 110万円前後 | – | – | △ | 住民税の 発生ライン |
| 106万円 | △ | – | 〇 | 社会保険の 発生ライン |
| 130万円 | 〇 | – | 〇 | 社保が配偶者の 扶養から外れる |
| 178万円 | 〇 | 〇 | 〇 | 所得税の 発生ライン |
配偶者控除
| 配偶者年収目安 | 配偶者控除 | ポイント |
| 123万円 | 適用 | 配偶者控除の配偶者所得要件 上限の目安 |
| 160万円 | 適用 | 配偶者特別控除ピーク |
| (160~201.6万円) | 段階的減額適用 | 世帯税負担が少しずつ増える ゾーン |
| 201.6万円超 | 適用なし | 配偶者控除制度の適用外 |
(補足)
・本資料は給与収入のみを前提にした簡易目安です。事業所得・年金所得・不動産所得等がある場合は別途判定が必要です。
・配偶者控除・配偶者特別控除は、控除を受ける本人の合計所得金額(原則1,000万円以下)によって適用や控除額が変わります。
・住民税の非課税基準は自治体差があります。西宮市以外の居住者には各自治体の基準確認が必要です。
■ 110万の壁(住民税)
※住民税のボーダーは自治体差がありますが概ね 110万円前後です
■ 106万円の壁(社会保険_企業要件あり)
以下すべてを満たすと社会保険加入:
・週20時間以上就労
・月額賃金88,000円以上
※2026.10要件撤廃予定 👉これにより106万円の壁はなくなります。
・従業員51人以上企業
・2ヶ月超雇用見込み
■130万円の壁(社会保険)
→配偶者の扶養から外れ、社会保険料負担が発生
■178万円の壁(所得税)
→所得税の発生ライン
□配偶者年収による本人所得控除(配偶者控除)の判定
配偶者の年収123万円(配偶者控除の「配偶者の所得」上限の目安 ※給与収入ベース)
配偶者の年収160万円(配偶者特別控除の満額38万円、以降段階的に控除額が減ります)
配偶者の年収201.6万円超(配偶者特別控除がなくなります)
2.知っておきたい最大の注意点:「税金」と「社会保険」の発生ライン
今回の法改正で、「税金がかからないライン(178万円)」が「社会保険料が発生するライン (106万〜130万円)」を追い抜きました。今後は「税金」ではなく「社会保険」を基準に働き方を考える必要があります。
3.これからの世帯経営:3つの新しい判断軸
これまでは「いくらに抑えるか」という金額の調整が中心でしたが、これからは「どのような働き方を目指すか」という世帯の判断軸を持つことが大切です。
軸1:「時間を抑える」か「時間を気にせず働く」か
これからの社会保険は金額ではなく「週の労働時間(20時間未満か、20時間以上か)」が実質的な境界線になります。家事や育児を最優先にするために週20時間未満に抑える (年収100万円前後)か、あるいは時間を気にせず働けるだけ働いて世帯収入を最大化するか、まずは時間の配分を決めましょう。
軸2:「今の手取り」か「将来の年金と安心」か
社会保険料の支払いは単なるコストではありません。自分で社会保険に入る(扶養を抜ける)ことには、以下のような大きなメリットがあります。
①将来の年金が増える: 働いた期間と収入に応じて、一生涯もらえる老齢厚生年金が増額されます。
②万が一の保障が手厚くなる: 病気やケガで働けなくなった時の「傷病手当金」や、障害・死亡時の年金が本人の権利として保障されます。教育費のピークなど「今すぐ手元にお金を残したい時期」なのか、将来の夫婦の「老後資金の準備を急ぎたい時期」なのかによって選択が変わります。
軸3:「片輪(単馬力)型」か「両輪(2馬力)型」か
一方が大黒柱として稼ぎ、もう一方が扶養内で徹底的にサポートするモデルか、あるいは夫婦双方が社会保険に加入して「2馬力」で稼ぎ、世帯のリスク分散を図るモデルか。これからの時代、後者の「2馬力型」を選択する世帯が急速に増得ています。
4,まとめ:迷ったらライフプランのシミュレーションを
制度が新しくなった今、一概に「いくらで抑えるのが得」とは言えなくなりました。お子様の年齢、パートナーの収入、そして何よりご自身が今後どのようなキャリアを築きたいかによって、最適な答えは一人ひとり異なります。当オフィスでは、単年の損得勘定だけでなく、「将来の年金がいくら増えるか」・「生涯のキャッシュフローがどう変わるか」を可視化するライフプランシミュレーションを行って行っています。これからの働き方に迷われた方は、お気軽にご相談ください!
以上
